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【書評】メタ思考トレーニング|気づいていないことに気付く

本書を手に取っている時点で、読者の皆さんは気づいた人たち、あるいは自分が「気づいていないことに気づいた」人だということになります。ーメタ思考トレーニング

みなさんは「メタ発言」って聞いたことありますか?

発言内容が、本来なら発言者が知らないはずの事に触れている発言のことです。例をあげると、アニメキャラクターがそれを演じている声優の存在に言及している発言などです。

あまり日常では聞かないですが、「メタ」には「高次の~」という意味があります。「メタ思考」とは一言で言うと、「自分が気付いていない高次の領域に気付くための思考法」でしょうか。

僕がこの本を手に取ったきっかけは、物事を1つ上の視点で考えることができれば、面白い冗談とか思いつくようになるかなーと思ったからです。

著者は細谷功さん。東大工学部卒のビジネスコンサルタントです。著書「地頭力を鍛える」が有名かもしれません。僕は細谷さんの本は「メタ思考トレーニング」が初めてですが。

本書では、メタ思考のために2つの方法が紹介されています。「Why型思考」と「アナロジー思考」です。

Why型思考

なぜ、「Why」に注目するのか

「5W1H」と表現される英語の疑問詞の中で、Whyだけが二つの間の事象の「関係性」を表す疑問詞で、他の疑問詞は属性をピンポイントに探るためのものであると言えます。ーメタ思考トレーニング

就活の面接では「どうしてあなたは○○したんですか?」というようなWhy系の質問がほとんどでした。

実際のエピソードと学生の価値観の「関係性」を問うことで、この学生と企業はマッチしているのか、この学生は論理的思考ができるのかといったような、1つ上の次元で評価されているのでしょう。つまり、回答の内容に興味はほとんどないのです。

学生は面接官の質問に「素直に」答えるのではなく、採用活動という面接官の本意=上位目的をくみ取って行動することが求められます。

就活と似ていると言われる恋愛でも、相手の本意をくみ取ることは大切です。

「ご飯に誘ったけど、今月は忙しいと言われたから来月の予定を聞く」は筋違い。単に「あなたの優先順位が低い」って言われているだけということです。

会いたいと思ってくれていれば本当に忙しくても、代替案や「また誘って」など相手からのアクションがあるはずです(ですよね?)。

本当の競合はどこか

牛丼の松屋の競合はどこか?と聞かれたとき、パッと出てくる答えは吉野家とかすき家とか「牛丼チェーン店」でしょう。著者はこれらの答えは「非メタ」のレベルだと言います。

「牛丼を食べたい」という目的を持つ人であれば、それらが競合だといえますが「手早く、安く、満腹になりたい」というお客さんもいます。この視点だと立ち食いそば屋、マックなどが競合なるんですね。

本当の競合を考える上では、ユーザーの上位目的まで立ち返ってみることが大切です。

アナロジー思考

アナロジーは一度抽象化してから再度具体化することで「抽象度の高い真似」をすることです。ーメタ思考トレーニング

「analogy」の直訳は「類推」です。物事を見えているまま真似するのではなく、物事の構造や関係性を共通点とした「メタ」の視点を取り入れます。

抽象化⇔具体化

アナロジー思考は「抽象化」+「具体化」の繰り返しです。

僕がこのテーマで面白いと思ったところは、具体→抽象において、物事を抽象度が高すぎる言葉でとらえてしまうと、無難なアイデアしか生まれないということです。

本書ではこんな例をあげています。「自転車の練習」を「英会話の上達」に適用するとき、具体的に書き出せば

「はじめは緩い下り坂から始めて、続いて平らな道、最後に上り坂で練習した」→「リスニングを0.8倍速で聴きとることから始めて、次に1倍速、次に1.2倍速」のような上手い例えにつなげられます。

自転車の練習の例で、「だんだん難易度を上げる」まで抽象度を高くしてしまうと、英会話の場面に適用しようとしたときに、ありきたりなアイデア止まりになってしまうということです。

僕の経験則ですが、何かアイデアを出そうと考えるとき、幅広く適用できるように抽象化を無意識にしていることが多いなと思いました。できるだけ具体的に物事をとらえる(書き出す)ように意識して、感じた・考えたことの情報を削らないことが適用したい場面で抽象→具体を考えるときに有効なのかも。

元の事象を一般化しすぎることなく具体的にとらえ、アイデアの利用先ならではの言葉にまで具体化することができれば、現状にとらわれない新しい発想が生まれます。

回転寿司の特徴や成功要因は何か?

サービスやビジネスのポイントを考えるときに、そのビジネスの特徴や、なぜ成功したのかを考えることがヒントになるよって話です。

折り曲げの法則

対極に見えるようなことでも表裏一体だよという話です。

話の本筋とは逸れるのですが、下図が印象に残ったので書いておきます。「成功&失敗」の反対は何もしないことです。うん、考えるだけじゃなくて行動しよ。

ーメタ思考トレーニング

順番、構成

順番や構成が、そのアイデアのキーになっていることがあるよって話です。例は、推理小説と古畑任三郎です。

ゆるふわなまとめ

サクッと数時間で読めました。すぐ読めるけど、内容は濃いのでおすすめできる本です。

自分のトークを面白くしたいなと思って手に取ったんですが、完全にビジネス向けでした。そもそも出版会社が「PHPビジネス新書」なので当然でしたね。

ビジネスを見据えた、1つ上の次元で考えるためのヒントが散りばめられてます。当初の目的とは違った内容でしたが、ビジネスをいろいろな視点で考察できたので面白かったです。

自分が気づいていない視点は無いか、本当のニーズは何なのかをもう一度考えることで、よりポイントを掴んだアイデアが生まれるかも。

決められたルールの中では、人間よりもコンピューターが優れている時代です。問題を解く時間では機械に勝てません。「AIに仕事を奪われる」といった表現も流行っていますよね。

だからルール自体を考える、違うルール(土俵)で勝負するといった「メタの視点」を持てることが人間の価値になってくると思います。

この本を読んで、もっとアナロジーについて知りたいと思ったら「アナロジー思考」も読もうかと思っていたけど…一旦保留かな。同じ著者の本は、内容が被っていることが多いから連続して読むのはハードル上がりますよね。

おわり